No.14 日本と西洋の声楽

西洋の声楽と言えば、オペラやカンタータなどがありますが、カンタータには歌詞の内容により、世俗カンタータと教会カンタータとに分かれています。

日本の伝統的な声楽には、端唄、小唄、長唄、清元、詩吟、等々様々ありますが、日本と西洋の声楽の決定的な違いは、発声する時の口の開き方にあります。

西洋の声楽は、縦に口を開き発声するのに対し、日本の声楽は口を横に大きく開いて発声します。

どちらも腹式呼吸で発声するのは共通しています。

発声する時の口の開きの違いは、オペラや歌舞伎を上演する時の劇場の違いが大きく関係しています。

劇場の広さや客席の配置は勿論ありますが、最も大きな違いは、劇場の建築資材の違いにあります。

日本は木材や土、紙を使い建築しているのに対し、西洋は石で建築されているからです。

それに加え、日本は客席を舞台下に平面に作られていますが、西洋は舞台下の席もありますが、扇型に2階、3階席など劇場全体に響き渡る設計になっています。

勿論、近代の日本の劇場も西洋の建築構造を取り入れ、西洋化されている劇場は多くなりました。

現代の様に拡声器が無かった時代には、人の発声の方法と劇場の形や客席の配置だけで、より遠く迄、美しく響かせる工夫の結果、縦に口を開き歌う様になったのだと考えられ、日本は西洋とは真逆で、劇場の材質は音を吸収し易い材質を使っていた為、より遠くではなく、横に広く広がり聞き取り易くなる様、口を横に開く発声になったのだと考えられます。

そして、もう一つの違いは、西洋の声楽は立って発声しているのに対し、日本は座って歌う事がほとんどの為、正面を向いて歌うのに対し、西洋は少し上向きで発声している事ですね。

西洋の石の文化は、固い石で音響で響かせ、日本は特に甲高い音を吸収し、柔らかく響かせる、音や声楽の響き方の違いは、実は国民性にも影響を与えているのかも知れませんね。

人間の声は、世界で一つしかない貴重な楽器なのです。

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投稿者:

伊集院 隼人

広い視野で世界をみつめ、独自の世界観で考察していく、ちょっと変わったお部屋、、、

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